経理代行で書類が整理され、経営者が本業に集中できている様子

「経理担当が退職して引き継ぎが止まった」「月末月初、社長自身が夜遅くまで記帳している」「会計ソフトは入れたが、結局誰も使いこなせていない」——中小企業の経営者から、こうした相談が毎週のように寄せられます。

本記事では、経理代行とはどこまで任せられるサービスなのか・料金相場はいくらか・どう選べば失敗しないのかを、実際に年商1億〜30億円規模の中小企業を支援してきた合同会社種火の現場感覚で整理します。読み終える頃には、自社に本当に必要な経理代行の輪郭が見えるはずです。

経理代行とは?「経理を外に出す」が当たり前になった理由

経理代行とは、記帳・月次決算・給与計算・年末調整・支払業務などの経理業務を、外部の専門会社に委託できるサービスです。1人あたり採用コストが年々上がる中、中小企業において経理は「採用しても辞めてしまう」「採用できても属人化する」最難関ポジションの1つになっています。

💡
経理代行が注目されている3つの背景
① 経理担当者の採用難(有効求人倍率2倍超)
② インボイス制度・電子帳簿保存法による業務量の増加
③ クラウド会計普及で「リモート経理代行」が現実的に

経理代行・記帳代行・税理士の違い

混同されがちですが、カバー範囲が異なります。

サービス カバー範囲 月額目安
記帳代行 仕訳入力のみ 1〜5万円
経理代行 記帳+月次決算+支払+給与等 5〜20万円
税理士 税務申告中心(+顧問) 3〜10万円
社外CFO 経営判断に使える数字づくり 10〜50万円

経理代行は「帳簿を作る」だけでなく「経営者が数字を使えるように整える」役割です。より戦略的な判断(資金繰り予測・投資判断)まで踏み込むなら、社外CFOサービスとの組み合わせも視野に入ります。

経理代行で依頼できる業務内容【完全マップ】

委託可能な業務は大きく6カテゴリに分類できます。

① 日常的な記帳業務

領収書・請求書・通帳データから会計ソフトに仕訳を入力する業務です。クラウド会計(freee・マネーフォワード・弥生オンライン)と銀行口座・カードを連携させることで、手入力を8割削減できます。

② 月次決算・試算表作成

月次ベースで損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)を締め、経営会議で使える形に整えます。ここが「記帳代行」と「経理代行」の分水嶺です。

③ 請求書発行・支払業務

得意先への請求書発行、支払先への振込手配までを一連で委託できます。振込データ作成までを代行会社が行い、最終承認のみ経営者が実施する運用が一般的です。

④ 給与計算・年末調整

社員の勤怠データから給与を計算し、明細発行・社会保険料控除・年末調整まで対応します。社労士との棲み分けは契約時に明確化が必要です。

⑤ 経費精算・小口現金管理

従業員立替分の経費精算、小口現金の管理と補充までを代行。TOKIUMや楽楽精算など経費精算システム導入支援も含まれる場合があります。

⑥ 決算業務サポート

決算整理仕訳、固定資産管理、棚卸資産の計上など。ただし税務申告は税理士の独占業務のため、顧問税理士との連携体制が前提です。

経理代行が対応する6つの業務カテゴリのマップ図

経理代行サービスの料金相場【2026年最新】

料金は「業務範囲 × 仕訳数 × 会社規模」で決まります。

業務範囲別の月額相場

業務パターン 月額相場 対象規模
記帳代行のみ(〜100仕訳/月) 1〜3万円 個人事業主・スタートアップ
記帳+月次決算 3〜8万円 年商1〜3億円
記帳+月次+給与+支払 8〜15万円 年商3〜10億円
フル経理代行+レポーティング 15〜30万円 年商10億円超
8
中央値は月額8万円前後。ただし初期設定費用(会計ソフト設定・勘定科目整備)として10〜30万円が別途発生するケースが多く、12ヶ月総額で200万円前後が現実的な見立てです。

「激安経理代行」に潜むリスク

月額1万円未満の激安プランは、領収書をただ仕訳に起票するだけで、月次決算も出ない、質問しても返信が遅いケースがあります。決算直前に「帳簿がぐちゃぐちゃでやり直し」が発生すると、かえって高くつくのが現実です。

経理代行のメリット・デメリット

メリット4点

  1. 固定費から変動費へ: 経理担当1人の年間人件費は社保込みで500万円前後。経理代行なら年間100〜200万円で同等以上の業務が可能。
  2. 属人化の解消: 担当者が休んでも、代行会社のチームが引き継ぐため業務が止まらない。
  3. 最新税制への対応: インボイス・電帳法・消費税改正など、自社で情報をキャッチアップする負担が消える。
  4. 経営判断の早期化: 月次決算が翌月5営業日以内に締まれば、意思決定サイクルが一気に早まる。

デメリット3点(と対策)

  1. 社内にノウハウが残らない → 契約時に「月次レポートの読み方レクチャー」を含めてもらう
  2. 情報漏洩リスク → NDA締結とプライバシーマーク・ISMS認証の有無を確認
  3. コミュニケーション齟齬 → 週1の定例ミーティング(30分)を運用ルールに組み込む
代表 早見 文博より
「経理代行を入れたのに、結局社内の作業量が減らない」という相談をよく受けます。原因はほぼ常に”窓口の曖昧さ”です。社内で誰が代行会社と連携するかを1人に絞り、領収書の集約方法をルール化するだけで、体感負担は半分以下になります。

失敗する経理代行導入の「よくある3パターン」

実際に相談として持ち込まれる”やり直し案件”には、共通する落とし穴があります。

パターン1:安さだけで選び、月次決算が出ない

月額2万円の激安プランを契約 → 仕訳は入るが月次試算表が出ない → 決算時に税理士から「科目が整理されていない」と指摘され、再仕訳で追加40万円請求、というケース。月次決算が標準で含まれるかを必ず契約前に確認してください。

パターン2:クラウド会計未対応の代行会社と契約

請求書をすべてFAX・紙で送る旧来型の代行会社と契約してしまい、結果的に経営者側の手間が増加。最低限、freee・マネーフォワード・弥生のいずれかに対応し、請求書は電子共有(Slack・Dropbox等)で完結する運用ができる会社を選びましょう。

パターン3:顧問税理士と連携体制がない

経理代行と税理士が別会社のとき、決算時にデータ形式が合わず、税理士側で再入力が発生する事故が頻発します。契約前に「弊社の顧問税理士は◯◯です」と伝え、連携実績を確認することが重要です。

経理代行サービスの選び方【チェックリスト10項目】

  1. □ 月次決算が標準で含まれるか
  2. □ クラウド会計(freee/MF/弥生)に対応しているか
  3. □ チーム体制か(担当者1人依存ではないか)
  4. □ 質問へのレスポンスSLAが明示されているか
  5. □ 顧問税理士との連携実績があるか
  6. □ 月次レポートのフォーマットが経営で使えるか
  7. □ NDA締結・情報セキュリティ体制が明確か
  8. □ 業界・業種の経験値があるか
  9. □ 事業拡大時にスコープを拡張できるか
  10. □ 解約条件・データ引渡し条件が明確か

7項目以上クリアできる会社を最低ラインに、5社程度比較検討するのがおすすめです。

経理代行の導入プロセス【7ステップ】

よくある質問:「依頼を決めてから、月次決算が回り始めるまでどのくらいかかりますか?」
回答:標準で2〜3ヶ月。初月は会計ソフト設定と過去データ移行、2ヶ月目から試験運用、3ヶ月目から正式稼働というスケジュールが現実的です。

ステップ概要

  1. 課題整理:自社の経理業務を棚卸し、どこを外注するか決める
  2. RFP作成:業務範囲・頻度・希望料金を1枚にまとめる
  3. 3〜5社の比較見積:同一条件で見積もり取得
  4. 面談・体制確認:担当者・チーム体制・連携フロー確認
  5. 契約・NDA締結:解約条件・データ所有権を明記
  6. 初期セットアップ:会計ソフト設定・勘定科目整備・過去データ移行
  7. 月次運用開始:初月は密にコミュニケーション、3ヶ月で定着化

種火の経理代行が大切にする「3つの原則」

① 数字は”作って終わり”ではなく”使われる”まで
月次試算表を納品するのはスタートライン。経営者がその数字を見て翌月の打ち手を決められるよう、ダッシュボード化・論点整理まで伴走します。

② 代行ではなく”伴走”
社内にノウハウを残す設計。3ヶ月に一度、経理のミニ勉強会を開き、担当者が数字を読めるようにサポートします。

③ 税務・DX・CFO支援とシームレス
経理代行だけでは解決できない論点(資金繰り・投資判断・業務効率化)が出たとき、社内のCFO・DXチームへそのまま引き継げます。

よくある質問

Q. 経理担当者が社内に1人いますが、経理代行は必要ですか?

A. 1人体制は「退職リスク」「属人化」「休めない」の3点で脆弱です。経理代行をバックアップに配置することで、担当者に有休を取らせても業務が止まらない状態を作れます。

Q. 税理士にも記帳を頼んでいますが、経理代行とどう棲み分けますか?

A. 税理士は”決算”、経理代行は”日々の経理+月次決算”が主担当です。月次試算表が翌月5日までに出るかが棲み分けの基準。出ていないなら経理代行を足す価値があります。

Q. 遠方の会社でも依頼できますか?

A. クラウド会計+Slack/Chatwork等で完結するため、物理的距離は問題になりません。種火も全国の中小企業を支援しています。

Q. いつから始めるのがベストですか?

A. 決算月の3ヶ月前までに導入判断するのが理想。決算直後〜期首が最もスムーズに移行できます。

Q. 社員の給与情報を外部に出すのが不安です

A. 給与計算部分のみ社内で残し、記帳・支払のみ代行する部分委託も可能です。NDA・プライバシーマーク有無で会社を絞り込むのも有効です。

まとめ:経理代行は”選び方”で成否が9割決まる

経理代行は、うまく使えば中小企業の経営インフラを一段引き上げてくれる強力な選択肢です。ただし「安いから」「ネット広告で見たから」で選ぶと、やり直しコストで結局高くつきます。

本記事のチェックリスト10項目を持って、3〜5社を同一条件で比較するところから始めてください。関連テーマとして、経理を外注するときの具体的な進め方経理ソフト選びの本音レビュー経理と会計の違い もあわせてどうぞ。

種火では年商1億〜30億円の中小企業を中心に、経理代行+DX支援+CFO伴走のワンストップ体制でサポートしています。まずは30分の無料相談でお話しください。

📞 経理代行の導入相談はこちら

30分の無料相談を予約する